「共喰い」 田中慎弥
芥川賞が発表されると文藝春秋を買って読む、いつ頃からかそうしている。
でほとんどの場合おもしろいと感じることはないのだが。
誰それの芥川賞受賞作といわれても、読んでいるはずなのにほとんど覚えていない。
ではどうして読むのかというと、そうは言うもののやはり何かがあるからだろう。
何らかの刺激を受け、心を動かされるているからだろう。
しかしほんとうに心をドキドキさせながら読めるのも20代の頃までか。
ぼくで言うと学生時代に受賞作をオンタイムで読んだもの…
中上健次(75)村上龍(76)、三田誠広(77)、池田満寿夫(77)、宮本輝(77)、高城修三(77)、高橋揆一郎(78)、高橋三千綱(78)、重兼芳子(79)、青野總(79)、森禮子(79)、尾辻克彦(80)ぐらいまでが、真剣に読み込んで、今もその時の印象がくっきり残っている作品だ。
「共喰い」は作者の言動がかなり話題になった。
石原慎太郎との論争があったようなことになっているが、実情は全然違っていて偶然そう見えただけであった。
作品は扱われている内容が少し過剰なだけで、文章などはしっかりとした芥川賞らしいものである。
ただ、父親の造形が希薄で、どのような人物なのか最後まで姿が浮かんでこなかった。
やはりまた忘れてしまうのだろうか。


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